Collections Under Contrast

京都国立博物館でみる特徴的なコントラスト:平成知新館と明治古都館。 対照的なデザインによって生み出された新たな調和。

The Heisei Chishinkan Wing by Yoshio Taniguchi

京都国立博物館の近代的なエントランスを進み、開けた広場に着くとまず目に飛び込んでくるもの。それは隣同士に建っているにも関わらず、あまりにも共通点のない2つの建築物だ。

右手に見える明治古都館が静かに歴史を語りかけてくる。明治25年に建てられた煉瓦造りのこの建物は、17世紀フランスのルネッサンス〜バロック様式を取り入れ、重厚さを醸し出しながらも、日本的な繊細さが表現されている。そして正面には、谷口吉生によって設計された平成知新館がモダニズムを体現している。直線や幾何学を多用し、モダニズムの理念を建築で表現する谷口は、数々の博物館や美術館、ニューヨークのMoMAなどの設計を手掛けており、日本の建築のモダニズムを牽引してきた建築家である。

その対照的なコントラストにも関わらず、この2つの建築物はお互いに調和を保っている。平成知新館の設計に際し谷口は、伝統的な日本建築様式を取り入れ、また建物の高さに配慮することによって、周囲の環境に溶け込むようにしている。実際に平成知新館は、高層化をするのではなく、地下に2フロアを設けることによって既存の明治古都館と高さを揃えている。

平成知新館に近づいていくと、水平に長く延びた庇を、水面に浮かぶように並ぶ細い柱が支えている外観が見える。ゆるやかに吹き抜ける風と、夏の終わりの柔らかな太陽の光が、水面に小さな波ときらめきを創り出していて、まるで建物が浮いているかのようにも見える。もう少し進むと、大きな窓と障子のような格子に目を奪われる。そこから、広々としたロビーとレストランに光が注がれることによって、建物がより周りに開かれ、周囲との調和を保っている。

中に入り、展示エリアへと進んでいくと気づくことがある。それは、明るいロビーエリアとは反対に、この展示エリアには一切自然光が入り込んでこないということだ。これは谷口の意図によって、館内の展示エリアと保管エリアを遮光にしたことによる。そのおかげで貴重な文化的遺物を保護するのに役立っているが、それだけでなく、開放的なエントランスエリアとの巧妙なコントラストを演出している。

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京都国立博物館でみる特徴的なコントラスト:平成知新館と明治古都館。
対照的なデザインによって生み出された新たな調和。